大分県立芸術文化短期大学 平成30年度講義概要
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授業科目 担当教員名 開講時期 必修・選択 単位 授業形態 学科・学年
音の科学 上見 憲弘
後期
選択 2 講義 美術科1年
美術科2年
音楽科1年
音楽科2年
国際総合学科1年
国際総合学科2年
情報コミュニケーション学科1年
情報コミュニケーション学科2年
■ 授業の目的・到達目標

 音は、楽しむための音楽、コミュニケーションをとるための音声、自分の周りの環境を知る手段になど、人の生活の場面で様々に利用されています。本授業では、ヒトが音の「波」からどのような仕組みで情報を抽出しているか、またその情報をどのように利用しているかを理解することを到達目標とします。具体的には、音の物理的な表現の仕方(音圧、周波数、周波数特性など)についてまず解説します。そして、この様な表現を用いて、これらの要素がヒトの頭の中でどのように知覚され理解されているかについて説明します。できるだけ身近な出来事から実例を示したり、簡単な実験を行ったりしながら授業を進めていく予定です。また、音に関する装置の応用として難聴者や発声障害者のための補助装置についてもビデオ等を用いながら説明したいと思います。

■ 各回の授業内容

1. ガイダンス
2. 音とは何か?:その表し方(縦波、音の数式、音圧とデシベル、周波数)
3. 刺激の強さと生じる感覚の関係-ウェーバー・フェヒナーの法則とスティーブンスの法則

音の知覚
4. 音の知覚1:音圧と音の大きさの知覚-補聴器の話を交えて
5. 音の知覚2:周波数と音の高さの知覚-音程と周波数
6. 音の知覚3-1:周波数の分布と音色-純音と音の分解(フーリエ級数展開とは)
7. 音の知覚3-2:耳の仕組み:音の分解装置としての耳-失われた聴力の回復
8. 音階の作り方-響きあう音とはどんな音か? ピタゴラス律,純正律,平均律
9. 音の方向とその知覚-スピーカ2個でいろんなところから音が聞こえるのは何故?

音声の知覚
10. 声を出すと言うこと1-発声器官の仕組み:主に声帯について
11.声を出すと言うこと2-音声生成モデルと母音の生成 、九官鳥はなぜ話せる?
12.声を出すと言うこと3-子音の生成とその知覚
13.国際音声字母、音節、モーラ、イントネーションについて
14.声の分析とその見方-モンゴルの歌唱法ホーメイを例として

15.音にまつわる話(CDの仕組み,音声合成、認識、福祉装置への応用など)

■ 準備学習等

講義でも説明しますが、sin やcos を用いた波の式とそのパラメータである振幅や周波数、位相という言葉について、あらかじめ十分理解しておくこと。また、講義内容を参考文献等で確認することが望ましい。

■ 成績評価の方法・基準

定期試験またはレポート

■ 教科書

日本音響学会編「音響学入門(音響入門シリーズA-1)(コロナ社)

■ 参考図書

日本音響学会編「音響学入門(音響入門シリーズA-3)」(コロナ社)
日本音響学会編「聴覚と音響心理」(コロナ社),レイ・D・ケント他「音声の音響分析」(海文堂),伊福部達「音の福祉工学」(コロナ社)

■ 履修の条件・注意事項

授業を欠席した時には必ずノートをみせてもらい内容の理解に努めること

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